2017-01-01から1年間の記事一覧

映画『沈黙-サイレンス-』3 キリスト教徒の国では、ユダのことはまだタブー

遠藤周作は原作の『沈黙』で、繰り返しユダのことを書いていました。 神の子イエスを裏切った、最悪の裏切り者であるユダ。 神はユダを見捨てたのか。 弱さ故に裏切ったユダは、永遠に地獄にいなければならないのかと。 私自身も聖書を初めて読んだ時、ユダ…

映画『沈黙-サイレンス-』2 あのラスト、遠藤周作とはまったく違う結論では?

映画としては、良作です。 しかし、原作を何度も読み込んだ遠藤周作ファンとして、この映画の結末は、原作と真逆の意味を持つのではと感じました。 形だけ棄教してもイエス・キリストを信じ続けた ロドリゴ司祭は、形だけ棄教したが、最後までイエス・キリス…

映画『沈黙-サイレンス-』1 原作のキチジローと微妙に違う、窪塚洋介

映画『沈黙-サイレンス-』を観ました。 chinmoku.jp マーチン・スコセッシ監督は好きなのです。 『タクシードライバー』は傑作です。 同時に、遠藤周作の小説『沈黙』から受けた感動は、人生で最も大きな衝撃でした。 ですから、期待と不安が半々でした。 …

今日も憂鬱な朝鮮半島5 Jアラート なんかやめて、先制敵地攻撃をさせてくれ

8月29日、朝方TVに突然Jアラート。 北朝鮮がミサイルを発射しました。 北海道南端を横切ったようです。 しかし、このJアラートは情けない。 何が悲しくて、あんなチンピラ国家になめられて、逃げ惑わなけければいけないのか。 日本の国力からすれば、十分に…

映画『東京裁判』6 「釈迢空(折口信夫)と柳田國男が語る。悲壮美を愛する民族、日本人」

折口信夫のことを調べていると、10年以上前に読んだ文章に出会いました。 ハードディスクの中に眠っていたようです。 折口信夫と柳田國男が、歌人岡野弘彦の前で語り合った事があります。 日本人は、死を美としすぎたのだと語る2人。 2人の民俗学者は後悔し…

映画『君の名は。』ハッピーエンドの似合わない男。新海誠

嫁と『君の名は。』のDVDを観ました。 嫁は、「面白かったけど、そんなに人気が出るほどかな」との反応。 観る前に「世間が言うほどの飛び抜けた傑作ではない」と前置きしておいて、ハードルを下げていたのにこの評価。 彼女は純粋なリアリストなので、当然…

今日も憂鬱な朝鮮半島4 8月15日の日経新聞春秋。平和ボケの酷さに「心がざわつ」く内容。

"北朝鮮からミサイルが飛んできた時の日本の様子"を描いたイラストが「風刺が効いている」と大反響! : ガールズ速報 がるそく! 2017/8/15付日経新聞の春秋を読み、「心がざわつい」てしまいました。 アメリカと北朝鮮のやり取りを、ここまで他人事のように…

NHKの『731部隊の真実 ~エリート医学者と人体実験~』への注釈をします

731部隊の集合写真 www6.nhk.or.jp 8月13日に報道された、NHK『731部隊の真実 ~エリート医学者と人体実験~』に対して、注釈をしたいと思います。 私は極右でもネトウヨでもない、普通に日本が好きな日本人です。それ故に、NHKの報道は日本人を馬鹿に…

映画『東京裁判』5 「8月15日が近づくと思い出す。釈迢空(折口信夫)の短歌」

もうすぐ、8月15日になります。 終戦の日。 この季節になるといつも、釈迢空(折口信夫)の短歌を思い出します。 釈迢空(しゃく ちょうくう)は民俗学者であった折口信夫(おりくち しのぶ)の歌人としての号、ペンネームです。 昭和帝の終戦の詔勅と短歌 …

映画『東京裁判』4 「マッカーサーの傲慢度と勘違いには、笑うしかない」

東京裁判 [DVD] posted with カエレバ 東京コンサーツ キングレコード 2004-08-04 Amazon 楽天市場 映画の初めに、戦艦ミズーリ号上の降伏文書調印式があります。 (東京裁判 vol1/4 12分37秒頃から) www.youtube.com 1945年(昭和20年)9月2日でした。 マ…

映画『東京裁判』3 戦争に関する法律がある限り、戦争を始めたことは悪ではない

戦争は野蛮な行為ではありません。もちろん悪でもありません。 何故ならば、国際法に戦争に関する法律が定められているからです。 戦時国際法です。 「戦時国際法」Wikipediaより 戦時国際法(せんじこくさいほう、英:Law of War)は、戦争状態においてもあら…

映画『セル』歩きスマホ嫌いには、最高のカタルシス

携帯電話(セル)をかけながら歩く、ながら族は日本だけではありません。 ほとんどの先進国では、スマートフォンの画面を見ながら歩いているようです。 スマートフォンを使用していない者としては、非常に腹立たしいことが多い。 先日も夜中に、細い歩道を前…

映画『チャイルド44』原作は良し、映画も結構良い

映画が予想していたより、いい雰囲気でした。 TVで見ていた普通のアイドルが、実際にあってみると平均点以上に可愛かったといったところでしょうか。 原作の絶望的なスターリン時代のソ連社会が窺える作品です。 原作は『チャイルド44』トム・ロブ・スミス著…

映画『東京裁判』2 「東條英機とキーナンの対決が痛快」

映画『東京裁判』は、長いドキュメンタリー映画です。4時間36分もあります。 しかし、何度も観ると、被告と検事、弁護人達の微妙な表情の変化に気づきます。 とりわけ、東條英機とキーナン検事とのやり取りは痛快です。 勝者が敗者を裁く茶番劇のような法廷…

共産主義者の歴史6「マルクスの弁証法とは?」

弁証法とは「二つの矛盾する命題が、対立を経ることで、新たな一つの命題になる」という思考法です。 この思考法は、マルクスの専売特許ではなく、古代ギリシアの思想家も自然に使用していた方法です。 マルクスが有名になりすぎたために、弁証法と言えばマ…

共産主義者の歴史5「フェリックス・ジェルジンスキー」って誰?

たぶん、ロシア史かソビエト連邦に興味のある人以外知られていません。 現ロシア大統領のプーチンさんは、KGB(ソ連国家保安委員会:カーゲーベーと読む)出身であることは有名です。 KGBが最初に組織化されたのは、ロシア革命以後です。 その頃は、チェーカ…

今日も憂鬱な朝鮮半島3 北朝鮮のドローンは日米合作製品

6月13日、韓国北東部の江原道麟蹄郡の山林で、北朝鮮のドローン(無人機)が発見されました。 米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」が配備されている場所を撮影していたようです。 www.sankei.com 写真で見る限り、子供の頃に作ったラジコン飛行機を思わせ…

アニメはジブリだけではない。『響け!ユーフォニアム1』『2』の激しさとエロさ

久々に、優れた作品に出会いました。これをゴールデンタイムに放送して欲しい。 とりわけ音楽好きな人にはたまらない。 吹奏楽部の演奏を通して、個性のぶつかり合いと集団としての芸術を、見事にアニメーションで表現しています。 響け!ユーフォニアム プ…

今日も憂鬱な朝鮮半島2 朝鮮戦争は、日本の敗北から始まった

1950年(昭和25年)6月に始まった朝鮮戦争は、日本(大日本帝国)の敗北から始まりました。東方に影響力を伸ばしてきた共産主義勢力が、日本の軍事力喪失により、朝鮮半島に結集したのです。 戦争は大手術に似ている 戦争は大手術に似ています。手術しなけれ…

アニメ映画『聲の形』は、自死が罪であることを突きつける

アニメ映画『聲の形』は、厳しい映画でした。 障碍者であっても、不幸な境遇であっても、勝手に自殺することは許されない。そのことを突きつけられた気がします。現実と向き合って戦うことが生きることなのだと。 やや、ネタバレも含みます。 映画『聲の形』…

今日も憂鬱な朝鮮半島1 北朝鮮、バングラデシュから現金強奪

これは酷い。北朝鮮、バングラデシュ中央銀行へのサイバー攻撃行う。ハッキングによって810万ドル(約92億円)強奪。 日経新聞によると、5月10日の米上院にて、米シマンテック社(セキュリティソフトの会社)の幹部が驚きの証言をしました。 「北朝鮮に拠点…

共産主義者の歴史4「パブロ・ピカソと朝鮮戦争」

1951年(昭和26年)パブロ・ピカソが70歳の時『朝鮮の虐殺』を制作しています。 知っている人はよく知っている。しかし、『ゲルニカ』ほどには知られていません。 ピカソを平和主義者として洗脳したいのか、学校の授業はもちろん、TVですら『朝鮮の虐殺』を…

共産主義者の歴史3「パブロ・ピカソはフランス共産党員でした」

芸術家が、人格者である必要はありません。 結果である作品が素晴らしければそれでいい。 画家に到っては、明らかに良識が欠ける人間が多いぐらいです。 パブロ・ピカソはその典型。 ただし、それを責めることは野暮です。美的な才能にあふれる人間が偏った…

共産主義者の歴史2「宮崎駿の現実無視は酷い」

宮崎駿のアニメは『未来少年コナン』の頃からのファンなのです。 アニメーション監督としては、世界最高と言っても言い過ぎでは無いでしょう。 才能の塊です。しかも爽やかさの中に何となく闇がある。破壊癖とエロチックな闇です。そこがまた香辛料のように…

共産主義者の歴史1 「ナウシカは原始共産制を実現するため、世界を破壊した」

『風の谷のナウシカ』アニメ版と漫画版との違い 一般には知られていないことですが、宮崎駿は共産主義者です。 若い頃には、東映動画労働組合の書記長も務めています。 「書記長」の響きが、いかにも共産主義者です。 私は『未来少年コナン』の頃からの宮崎…

鬼束ちひろが帰ってきた。アルバム『シンドローム』

壊れていた鬼束ちひろ 好きだった歌手が壊れていくのを見るのは辛かった。 鬼束ちひろの曲は、ほとんどを聴いたのですが、 とりわけ『Infection』(=感染)は大好きで、何度聴いたかわからないほどです。 www.youtube.com 『Infection』は、2001年9月7日に…

萩原朔太郎の詩は、春が旬

萩原朔太郎は狂気を制御できた人 まだ桜は咲いていない時期です。 しかし、木々を見ればもう準備している様子。 こんな時には、心がざわざわします。 気分が安定しないときには、より不安定な人を見ると安心するようです。 萩原朔太郎の詩に「櫻(桜の旧字体…

映画『ジャガーノート』なんど観ても飽きない。鬱状態の時はいい薬

恐怖と緊張の刺激が良い 春のせいなのか、鬱状態です。 活字の多い本は読むのが苦痛になるので、避けます。 こんな時は、何回も観た映画を見るのが良い。 ジャガーノート [DVD] posted with カエレバ リチャード・ハリス 20世紀フォックスホームエンターテイ…

『あそびあそばせ』涼川りん。これはスマッシュヒット作品

(女子校である)女子中学生の美少女3人が主人公 この繊細かつ美しい絵、どちらかと言えば少女マンガ系です。 なのに、内容はややホラーでシュールなギャグマンガ。 野村 香純、オリヴィア、本田華子の3人があることがきっかけで、遊び人研究会を作り、その…

森友学園運営の塚本幼稚園への非難はどうか

他の国々の事実を伝えて欲しい 特別に、安倍首相を支持しているわけではありません。 それどころか、 生ぬるい!もっと強く発言すべきだ!と思っています。 それに、今問題になっている森友学園の国有地売却については、明らかに脇が甘かったとしか言いよう…